不思議の国の物語。
右,左。 後。 前…。
全てを確認してもいない。 ねぇ? 誰か。 あたしを。 あたしを…。
「一人にしないでぇええぇえっ!!」
 叫んでいてもとても意味がない。 跳ね返ってくるだけだ。
「早く,誰でもいいから。 来て。」
 初めて千世子の世界で自分の世界で千世子は願った。 誰でもいいから来てと。 その願いは…──聞き入られた。



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