Our Memories
「ねぇ、和田ちゃん。今、進路希望調査の紙出してもいい?」
「おう。」
私は昨日書いた紙を和田ちゃんに渡した。
「......S高か。それはお前が決めたことだよな?」
「うん。」
私は和田ちゃんをまっすぐに見て答えた。
ここ最近ずっと悩んでた。
N高に行こうとしてた矢先にあの事故があって。
涼介の代わりにS高に行くとか綺麗事にしか聞こえないかもしれない。
でもそうじゃなくて。
涼介が行きたかった、見たかった景色を私は知りたい。
涼介が行きたがってたS高に行きたい。
それが私の答えだった。
和田ちゃんはそれ以上聞かずに進路希望調査をしまった。