Those who met those lost(失ったもの、出会ったもの)
**母・尚子の思い
尚子は、なんでも頑張りすぎる
杏を心配していたが。
きっと、何も出来ないと
自分の迎えのせいで
事故にあったと
思っている父親に
心配をかけるから
と、杏が考えていると
尚子は、そう思っていた。
あの日、傘を持っていかなかった
父を姉と一緒に
傘を持って、迎えに行ったのだ。
杏は、父のせいだと
思ったことは一度もない。
姉が、一人で行くと言ったのを
無理矢理ついて
行ったのも自分だから。
ただ、両親にすごく心配かけた事を
気に病んでいた。
会社に入って
一年が経とうとした時
杏は、思わぬ人から
声をかけられた。
営業課の川崎さんだ。
「高梨さん、少し時間もらえないか?」
「あの、何か?」
「いや、仕事の話では
ないから、今日の帰りに
待ち合わせしないか?」
「·····はい‥わかりました。」
と、言って待合せ場所と時間を
決めて課に戻った。
それを、優愛が見ているとは
杏も圭も知らなかった。
杏は、仕事が終り
川崎さんとの待ち合わせ
場所に向かった。
そこは、隠れ家のような
民家を改造した、お洒落なお店だった。
杏が、席につくと
「すまない、遅れて。」
と、川崎さん。
「あっ、いえ、私も今来ました。」
「ここ、なんでも美味しいから
食べながらでいいかな。」
「はい。お洒落なとこですね。」
と、話していると
「おっ、圭、来たか?
今日は、また可愛らしい子を
つれてるな。」
「海斗、うるさい。
美味しいものを彼女に頼む。」
「はいはい。」
と、言って海斗さん?は去った。
「ごめんな。
ここは、あいつの店で
大学の友人で、海斗って言うんだ。」
「うふふっ、仲良しなんですね。」
「あっ、まあね。」
話している間に
海斗さんが、料理を運んでくれて
スッゴく、美味しくて
沢山、食べた。