Those who met those lost(失ったもの、出会ったもの)
**干菜
妹が、事故にあったとき
命をとりとめて本当に良かった
と、思ったが
母さんは、杏に付きっきり
父さんも大学から、病院により
帰宅する日々だった。
私は、しかたないと
なんでも、我慢するように
なっていた。
母さんは、
「干菜は、しっかりもので助かるわ。」
と、言うが
本当は、私だって、
母さん、父さんに甘えたかった。
だけど、そんなことできる状況では
なかった。
杏が、退院してからも
足の不自由な杏が家族の中心だった。
心優しい杏は、
家族に気を使わせないように
なんでも自分でやろうとする
頑張り屋で可愛くて優しい妹だ。
あんな事·····
言うつもりじゃ・・なかったのに
あのときの杏の顔
ひどく傷ついていた。
私、あのまま家を出て
友人の所に行き
会社の帰りに、不動産で
マンションを決めた。
家具家電付きにしたから
着替えだけを週末に取りに帰り
家族の誰とも話さずに家をでた。
今は、杏の顔も見れないし
父さんや母さんとも
話したくなかった。
頭を冷やして
いつか、また話せる日が
くると思う。
貴晃さんから直接電話を
貰い話した。
ここでも、また、杏か
と思うが、
私の中では、またか?‥‥と
思う気持ちと
あの時の杏の顔が
交差していた。
私は、しばらく友人達と
飲み歩き回っていた。
皆、優しい友人達で
毎回、付き合ってくれた。