Those who met those lost(失ったもの、出会ったもの)
五項
**連絡
杏が、消息がわからない間・・
優愛は、妊娠しているのが
わかった。
川崎の子だ。
川崎は、
「結婚しよう。」
と、言ってくれたが
「責任で一緒になって貰っても
嬉しくないし
それに杏の行方がわからない中
自分だけ幸せになんかなれない。
元は、私のせいだから。」
と、言った。
川崎は、
「ちゃんと鈴を見ている。
お前のせいじゃない。
俺が、行けなかったんだ。」
と、言ってくれたが
優愛は、受入れなかった。
あんなに好きだった
圭なのに・・・
杏の気持ちを考えると
そんな気持ちには、なれなかった。
だが、仕事はお腹が目立つまでは、
続けるつもりでいた。
優愛は、自分の両親にも
キチンと話をした。
両親は、初めは怒っていたが
優愛の気持ちを優先してくれた。
会社では、何かと川崎が
うるさくてしかたないが
優愛は、川崎の好きなように
させていた。
杏の消息は、掴めないまま
圭吾は、一気に老けてしまい
信吾は心配して
陵とよく高梨家を訪れていた。
杏の消息が、わからなくなって
三ヶ月が過ぎたとき
警察から電話が・・・
『身元のわからない人が病院にいる。』と。
そこは、小さな島で
その島に一軒しかない
診療所からだった。
電話の内容は·····
その女性は、瞳が薄いグレーをしている。
その時点で
ほぼ、間違いない杏だろう。
だが、彼女は長く海の中を流されて
右足の膝から下を切断を
しなければならなかった、と。
目も見えてない、記憶もない
との事だった。
生きてることが奇跡だと
医師が言っていた。
との内容だった。
取り急ぎ、お礼を言って
明日、伺う事を伝えた。