Those who met those lost(失ったもの、出会ったもの)
**わかる
入って来たのは‥‥‥‥
‥‥‥貴晃だった‥‥‥
貴晃は、杏を呆然と見つめたまま
涙を流した。
すると‥‥‥
杏は、貴晃に微笑み
両手を伸ばした。
皆は、驚き‥‥様子を‥‥見守る‥‥
貴晃は、その手に吸い寄せられるように
杏の元に行き ベッドへ座り
‥‥杏を抱き締めた‥‥
杏も貴晃の背中に
手を回した。
「なんで‥‥なんで‥‥
こんなに‥‥なっているの‥‥
‥‥‥あん‥‥ず‥‥」
「‥ごめんなさい‥‥
‥‥心配かけちゃった‥‥」
「心配どころじゃないよ。
命が縮んだ。」
「うふふっ、大げさ。」
「杏、見えるの?」
「うん。」
「見せて、杏のグレイの瞳を・・
吸い寄せられるんだよね」
「そんな、いいものじゃないよ」
と、見つめ会うと
貴晃は、そのまま
また、杏をだきしめて
「····本当‥‥‥良かった‥‥
杏······記憶あるの?」
と、言う貴晃に
杏は、首をふりながら
「ないの。お父さんもお母さんも
心配してくれるのに
何もわからないの。
優愛ちゃんとは、新たにお友達に
なったの。
優愛ちゃんの彼氏さんのことも聞いたけど
わからないの。
信吾さん、陵ちゃんのことも
わからないけど、一緒にいると凄く
凄く落ち着くの。
そして、お姉ちゃんが
いるみたいだけど、
その人の事を考えると
なぜか、苦しくて辛くなるの
だけど·····貴晃のことは、わかるよ。」
と、言うと
「えっ、なんで、貴晃だけ?
陵ちゃんは、杏が大好きなのに。」
「ごめんね、陵ちゃん。」
とわ騒いでいると
「杏、瞳‥‥知らなかった!」
と、優愛。
杏は、きょとんとしていたら
貴晃が、
「杏は、日常はカラコンしてるよ
尚子さんが、小さいころから心配してね」
と、言うと
杏も
「そうなの?」
と、言うから
皆は、笑いだした。