Those who met those lost(失ったもの、出会ったもの)
**妊娠
貴晃と結婚して
一年を迎えようとしていた。
今日は、貴晃から
「書類を忘れたから
届けて欲しい
大丈夫かな?」
と、言われた。
「大丈夫だよ。」
って言って大学へと向かった。
タクシーで、大学に向かい
降りてキョロキョロしていると、
学生が集まってきた。
どこからきたの?
なに学部?
何年生?
へぇ、綺麗な瞳?
それ、本物?
ジャバニーズ?
沢山の人から
訊かれていると
「杏?」
と、貴晃の声
「貴晃!!」
と、呼ぶと
「ほら、お前ら、ちれ!」
と、学生にいいながら
貴晃が、そばにきて
「杏、大丈夫か?」
「うん、問題ないよ。
ちょっと、びっくりしただけ。」
と、言って
杏は、学生達に
『日本から来ました。
もうすぐ、26才になります。
因みに学生ではありません。
あっ、瞳も本物ですよ』
と、言うと
貴晃が、
『杏は、俺の嫁だ。
見るな!!杏は、俺のだ。』
と、言うと
学生達は、
えーっ、先生の?
綺麗な瞳‥‥
本当に日本人?
と、まだまだ騒いでいたから
その騒ぎから
抜け出して
貴晃に書類を渡して
帰る事にした。
「杏、気をつけて帰るんだよ。
書類、ありがとう。」
そう、私は、今妊娠四ヶ月
まだ、余り目立たない。
だけど、足への負担を考えて
貴晃は、不安がっていたから
お義母である、陵ちゃんが
良く来てくれていた。
陵ちゃんは、お義母さんじゃなくて
陵ちゃんと呼ぶように
言ってきかない。
お父さん、お母さん、
お姉ちゃんも、度々来てくれていた。
まあ、お姉ちゃんは、
今は、彼氏さんとくることが
ほとんど、だけど。