大切な人
「...っ!!!」

今、目が合った

「たつ...や...?」

確かに名前を呼ばれた

もしかしたら幻聴だったかもしれない

だけど名前を呼ばれた気がしたんだ

「俺だよ!達也だよ!わかるか!?」

千夏の目はずっとうつろで反応が無い

「千夏っ!!!千夏...っ!!!」

名前を呼び続けた

呼ばなきゃいけない気がした

呼び続けないと千夏がいなくなってしまいそうで

怖くて...怖くて...

名前を呼び続けることしかできなかった
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