大切な人
例えもう、成瀬に会えないとしても
それはもう仕方が無いこと。
そう選択したのだから
「千夏、私達1回家に戻って着替えとか持ってくるわね。
ひとりで待っていられる?」
「大丈夫だよ。」
声で会話ができないことにもどかしさを感じながらも返事をする
「また後で来るからな。」
そう言って出ていったと同時に看護師が入ってきた
「千夏さん今日は。成瀬です。
点滴交換しますね。」
成瀬...
その単語に反応してしまった
「成瀬っていい苗字ですよね。かっこいい」
「そうですか?あ、もしかして好きな人の苗字が成瀬とか?」
「まぁ...はい/////でも、もう会えないかもしれないですけど。」
「会えないの?」
「嘘ついたんです。ガンだけど、貧血で倒れただけって。」
「そうなんだ...。その子の名前なんていうの?」
「達也です。成瀬達也」
「あらまぁ、そうなのー?」
看護師さんは少し驚いたふうだった
「はい/////」