不器用な悪女
あ な た に わ た し の な に が わ か る の ?










私は右手を振り上げた。





パンッ





トイレに乾いた音がひびく。彼女の左頬を叩いたのだ。




「 顔だけならこんな風にいじめなんてくだらないことしないわよ!!!、、、本気で彼を愛しているの!!彼の抱いてくれている時の表情も気持ちがなくったって優しく触れてくれるところも!!幹部の人たちと一緒にいる時の少し緩んだ顔も!!!彼の全てが好きなのよ!!!

どうしてあなたなの?私は彼に見てもらいたくってこんなにも努力してきたのに、あなたが転校してくるずっと前から好きで頑張ってきたのに、、、!

彼等のことを分かってない?分からないに決まってるじゃない!近づくことが出来ないんだからっ!!!努力もしてないあなたにそんなこといわれたくないわ!! 」





我慢なんてできなかった。




、、言っていて涙が溢れてきた。





あぁ、惨めだな、なんて。

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