家族の絆
「祐一さん、ウェブサイトはいくつか見たでしょう!」
「・・・」
肯いて応えた。
「あのことにはもう係わらないほうがいいと思うの」
いつもは少ししかお酒を飲まないのに今日のユキは飲みっぷりがいい。
「わたしに約束して欲しいの。もう係わらないって!」
頑として、わたしのいうことを聞きなさいという態度だった。
「借りたお金のこともあるし、決着だけはつけたいと思うのだけど・・・」
申し訳なさそうに応えるのが精一杯だった。
「そのことは別のときに話しましょう。ともかく、今日はもう係わらないって約束して欲しいの」
残っている40万円の使い道の了解を得ようと思っていたのに、それどころではなくなってしまった。
「わかった。もう一切取り合わないことに決めるよ」
この何日間か思っていた、ヨハネスブルグに行く計画を断念することを誓った。
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