家族の絆
 送付した内容に有無をいわさず、DRCから翌日には激しい内容のファックスが届いた。

最終通達

日付:2002年10月3日
契約総額(Contract Sum):USD30.5M

前略

 貴殿の契約に関して本日以下のように要求があったのでお伝えします。

1.標準時間の10月4日16:00までに、ロンドンからの返還金の手数料が支払わなければ、貴殿の契約は我々のシステムの中で自動的に削除されることになる。
2.返還に対する貴殿の有効性が失われることが、同じく10月4日16:00にプログラムされている。もし、返還金の手数料の支払が履行されなければ、ナイジェリア政府はこれを所有する権利を法的に有しているし、貴殿の請求に対してもっと調査することができる。しかし、われわれは貴殿のことを思えばこれを是非とも避けたい。
3.南アフリカリザーブ銀行がすべての権限を受け入れられるように、UFH(Union Finance House)銀行は、上記の時間よりも以前に停止される。

 ともかく、貴殿の不利益がないようにDRCの申し上げることに従うのが好ましい。

草々
Dr. Williams Douglas
Executive Chairman
Debt Reconciliation Commission

 この文中にも、DRCのあせりのようなものが見受けられた。それは、3.にUFH銀行がどうのと、記されているが、9月27日付のファックスのように、すでに、UFH銀行からSAR銀行に戻って来たという内容ではなかったのかと、誤りを露呈しているようなものだと思った。
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