家族の絆
銀座8丁目のその店、クラブ〔水蘭(すいらん)〕は、銀座といっても新橋駅からのほうが断然近く、中島さんと2人でお店に入ったときには、他にはお客さんが誰もいなかった。
「ようこそいらっしゃいました。案内を出したけど、来てくれるのか心配でしたよ」
ユキは極上の笑顔で迎えてくれた。
ママと他のホステスたちと一通りの挨拶を交わしているうちにお客さんが3組も立て続けに入って来て、ワイワイさんって福の神かもねって、ママがウインクをして立っていった。イニシャルがYYなのでワイワイと直ぐに呼ばれるようになってしまった。中島さんが、カラオケで陽気に歌っている間にユキに話しかけてみた。
「ユキさんがアルバイトでたまに行っていたというこの前のお店に付いて聞きたいのだけど・・・。特に、女将さんのことを聞きそびれていたんだけど、その後どうしているのか、教えてくれないか・・・」
「今ここでは、ちょっとお話できないよ。今度、お話しますから・・・」
急にユキは険しい顔をして、少し戸惑い気味に話した。それからというか、もともと、ユキは無口のようであったが、ほとんど、口を利かないで、何かを考えているようでもあった。
ユキは祐一と中島さんのテーブルにずっと付いていた。他のホステス達はママの指示に従って、適当にテーブルを移動していたが、ユキだけは最後まで同じテーブルだった。今日の会議の話をしたり、祐一が3月に出張したロスの話をしたり、カラオケを歌ったりと時間は過ぎていった。
勘定はユキが初めて連れてきたお客さんということで、安くしてくれた。確かに祐一たちが来てからというものいつもとは違って大勢のお客さんが来たようで、ママは気を良くしていた。終電間近までいて、中島さんと一緒に帰った。新橋から銀座線で表参道まで行って、半蔵門線に乗り換えて青葉台まで帰った。中島さんは同じく表参道まで一緒だったが、千代田線に乗り換えて、小田急線で帰っていった。
「ようこそいらっしゃいました。案内を出したけど、来てくれるのか心配でしたよ」
ユキは極上の笑顔で迎えてくれた。
ママと他のホステスたちと一通りの挨拶を交わしているうちにお客さんが3組も立て続けに入って来て、ワイワイさんって福の神かもねって、ママがウインクをして立っていった。イニシャルがYYなのでワイワイと直ぐに呼ばれるようになってしまった。中島さんが、カラオケで陽気に歌っている間にユキに話しかけてみた。
「ユキさんがアルバイトでたまに行っていたというこの前のお店に付いて聞きたいのだけど・・・。特に、女将さんのことを聞きそびれていたんだけど、その後どうしているのか、教えてくれないか・・・」
「今ここでは、ちょっとお話できないよ。今度、お話しますから・・・」
急にユキは険しい顔をして、少し戸惑い気味に話した。それからというか、もともと、ユキは無口のようであったが、ほとんど、口を利かないで、何かを考えているようでもあった。
ユキは祐一と中島さんのテーブルにずっと付いていた。他のホステス達はママの指示に従って、適当にテーブルを移動していたが、ユキだけは最後まで同じテーブルだった。今日の会議の話をしたり、祐一が3月に出張したロスの話をしたり、カラオケを歌ったりと時間は過ぎていった。
勘定はユキが初めて連れてきたお客さんということで、安くしてくれた。確かに祐一たちが来てからというものいつもとは違って大勢のお客さんが来たようで、ママは気を良くしていた。終電間近までいて、中島さんと一緒に帰った。新橋から銀座線で表参道まで行って、半蔵門線に乗り換えて青葉台まで帰った。中島さんは同じく表参道まで一緒だったが、千代田線に乗り換えて、小田急線で帰っていった。