君の瞳に映る世界


私の名前は、三津島里沙(みつしま りさ)。




今年の4月に、高校2年生になった。




見てくれは、普通の女の子、だと思う。



ただ、私は、色が見えない。




生まれたときから、色が分からないの。




だから、どうしてクレヨンが12本もあるのか分からなかった。




私の世界は3色しかないのに、どうしてこんなに沢山あるんだろうって。




異常に気付いた両親は、私をすぐに病院に連れて行った。




でも、行った先々で言われたのは、




「治らない」




ということだけだった。




どこに言っても同じことを言われたけど、最後に行った病院では




『何か大きなショックがあれば、あるいは治るかもしれませんね』




って言われた。




けどまあ、今まで特に大きなショックが無かったようで、私の世界はモノクロのままだった。




やがて、変化のない私に愛想を尽かしたのか、両親の関心は全て2つ下の妹に移った。




学力優秀、スポーツ万能、両親にもかわいがられてる、そんな我が家の有望株は、今年高校受験を控えている。




難関高校に受かるため、今必死に勉強している。




そっちに付きっきりの両親は、まだ一度もお見舞いには来てくれていなかった。




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