君の瞳に映る世界
「僕は、里沙が好き」
「っ!
そ、それ、さっきも聞いたよ?
私も……」
「違うんだ」
ギュッと私を抱きしめた逢坂くんは、耳元で話を続けた。
「僕は、君を、1人の女の子として好きなんだ。
君と……お付き合いをしたいと、思ってる」
「え……」
「これで、伝わった、かな……」
その言葉を聞いた途端、みるみる私の体温が上がった。
逢坂くんが、私のことを好き……
それも、1人の、女の子として……
放心状態の私から、ゆっくり離れると、逢坂くんは微笑んだ。
「いきなり、ごめん。
迷惑だったよね……
返事はいいから、もう、戻ろうか……」
「え……」
そう言うと、逢坂くんは歩き出してしまった。
違う、迷惑なんかじゃない。
私だって、あなたと同じ想いなのに……!
だけど、勇気の無い私は彼の腕を引っ張って、引き止める事ができなかった……