君の瞳に映る世界


幸ちゃんとの電話を終えて、部屋に戻った。




荷物も殆どまとめ終わって、あとは運び出すだけ。




ガランとした部屋で、私は1人ベットに腰掛けた。




もう、ここに来ることもないよな……




私は、何気無くスケッチブックを手に取った。




開くと、中にはここで描いたイラストが沢山。




この2ヵ月、私は毎日これを開いていた。




毎日、絵を描いていたんだ……




人事のように、私は思い返していた。




色んな人と出会って、色んな絵を描いて。




そんな生活も、もう終わるんだ。




そう思いながら、ページをめくると……




「あ……」




入院してすぐ、逢坂くんと会った日に見せた絵が出てきた。




「逢坂くん……」




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