君の瞳に映る世界
『明日から、毎日君の部屋にお話しをしに来てもいいかな』
あんな強引な言葉、初めて聞いたよ。
だけど……今思えば、彼と出会えて本当に良かった。
とっても、感謝してる。
スッと目を閉じれば、すぐに浮かんでくる彼の顔と声。
『君の名前、教えてよ』
『君がいなくなれば、僕は傷つく』
『君は、1人ぼっちなんかじゃない』
『僕は、里沙が好き』
「……!」
私は、ゆっくりと目を開けた。
逢坂くんは、私が出来なかった事をした。
どんなに勇気を振り絞っても、無理だったのに……
いや、きっと彼もすごく緊張したんだ。
だって……あの時、少しだけ震えていたもの。
「……行かなきゃ」
彼の勇気を、無駄にしちゃだめだ。
会いに行かなきゃ。
返事を、しなきゃ……!