君の瞳に映る世界
なんだろう、きちんと日常に戻ってきたはずなのに。
色も見えるようになって、普通の女の子になれて、とっても嬉しいのに。
全然キラキラしていない。
今見ている世界は、まるで色が無いみたい……
「里沙ちゃん!」
ボーッと廊下を歩いていると、前から幸ちゃんが駆けてきた。
「幸ちゃん」
「学校、今日からだったんだね。
里沙ちゃんが学校に来るの久しぶりだから、なんだか変な感じ」
はにかむように笑った幸ちゃん。
彼女につられて、私も口元が緩んだ。
「逢坂くんに、ちゃんと返事できた?」
「っ……」