君の瞳に映る世界
長い1日を終えた私は、病院へと向かっていた。
退院後の経過を見てもらうために。
バスを乗り継いで行くと、すっかり見慣れてしまった病院についた。
見慣れてはいるんだけど、1度離れてしまえば、そこはもう別の世界のようだった。
受付をすませて、順番を待っていると……
「里沙ちゃん?」
名前を呼ばれ、顔を向けると、入院中私を担当してくれていた看護師さんがいた。
「あ……お久しぶりです」
すると、彼女はキョロキョロとあたりを見回した後、小声で話しかけてきた。
「渡したいものがあるんだけど、順番はまだ大丈夫かしら」
「はい、大丈夫だと思いますけど……?」
「よかった。
じゃあ、少しここで待っててくれるかしら」
「はい……」
なんだろう。