君の瞳に映る世界


少しすると、看護師さんが戻ってきた。




手には一通の手紙を持って。




「はい、これ」




受け取った手紙は、淡い水色の封筒に入っていた。




表には、丁寧に書かれた、私の名前。




差出人の所には……





「っ!!」




逢坂颯、の文字があった。




思わず顔を上げると、看護師さんは少しだけ困ったように笑った。




「逢坂くんのご両親が、あなたに送ろうと思ったみたいなんどけど、住所が分からないからって、病院に預けていかれたの。

 今日、会えてよかったわ。

 よかったら、読んであげて」




すると、丁度診察の順番が回ってきた。




「三津島里沙さん、診察室にどうぞ」




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