君の瞳に映る世界
そして、今にいたるわけだけど……
「まさか、同い年だったなんて、びっくりだよ。
今まで、同年代の子はいなかったから、少し嬉しいな」
「……」
「あ、ごめん!
怪我してよかった、って言ってるわけじゃないんだ!」
わたわたと、顔の前で手を振る逢坂くん。
同い年のはずなのに、その可愛らしい仕草から、少しだけ幼さを感じる。
「別に、怒ってないよ」
「ホント?良かったあ」
ホッとした顔、本当に安心したみたい。
クルクル変わる表情が少し面白い。
表情が豊かな人だなあ。
「……ねえ、君は絵が好きなの?」
「え……」
小さな棚の上に置いてあったスケッチブックに、逢坂くんは目をやった。
「うん、まあ……」
「中、見てもいい?」
「え……」
一瞬ドキッとしたけど、別に変なものは描いてないし……
ただ、色がないだけで……
「……いいけど、つまらないと思うよ……?」
控えめに促すと、彼はそっと手を伸ばして、優しくスケッチブックを手に取った。
「ありがとう」
彼は、微笑んでお礼を言うと、表紙を開いた。