君の瞳に映る世界
彼は、パラパラとスケッチブックをめくった。
1枚、また1枚と、私の世界が彼の目にうつる。
……この時間は、いつも緊張する。
ドキドキと心臓は強く脈を打つ。
自分の世界は、受け入れられるだろうか。
もし、受け入れられなかったら……
思わず俯いてしまいそうになった時、彼からうっとりとした、ため息をついた。
「すごい、上手いなあ……」
誰に言うわけでもなく、ポツッと呟いた。
それ、本音?
私は彼の言葉に驚いてじっと、椅子に座ってスケッチブックを見つめる彼を見た。
やっと頭で認識した私は、たちまち嬉しくなって、自然と口元が緩んだ。
「えへへ……」
思わず漏れてしまった声に、慌てて口を押さえた。
「絵、上手だね。
美術部とかに入ってたの?」
「うん、一応ね」
「へえ、凄いね」