君の瞳に映る世界
「そこにね、僕の友達が沢山いるんだ。
その子達にも、君の絵を見せてあげたいんだ。
君のことも紹介したいし、どうかな」
彼は、真剣な顔で誘ってくれた。
お誘いは嬉しいんだけど……
「……ここでは、友達作る気ないから……」
所詮、2ヵ月しかいない場所だし。
この部屋から出る気なんて、ないし……
すると、突然逢坂くんが私の手を取った。
「行ってみようよ!
ここには色んな人がいる。
ここにいるのは、短い時間かもしれないけど、もしかしたらここで一生の友達が見つかるかもしれないよ?」
彼は、いたずらっ子のような顔で、ウインクをした。
「……手、離して」
「あ、ご、ごめん!」
彼は、慌ててパッと私から手を離した。
その様子を見て、思わずクスッと笑ってしまった。
「私、あと1ヵ月ちょっとしかいないけど、一生の友達見つかるかな」
「運命の出会いがいつ訪れるかなんて、分からないよ。
もしかしたら、まだ先かもしれないし、今日かもしれない。
もしかしたら……もう、出会ってるかもしれない」
彼は、私の顔を見て、ニコッと笑った。
「さ、行こう。
運命の出会いを、見逃さないように」