君の瞳に映る世界
簡単な部屋ではあるけれど、広めのここは、本当に色んな人がいた。
車いすに乗ったおじいさん、おばあさん。
大学生っぽい人は、面会の人と話し込んでる。
小学生の子供たちもいた。
でも、その中には、逢坂くんが言った通り、私たちと同い年くらいの人はいなかった。
「ほんとに小さな子が多いね……」
「そうだね、ここは小児科の先生が有名だから」
パズルをしてる彼らの後ろで、私は逢坂くんに小声で話しかけた。
「ねえ、おねーちゃんは、お名前なんて言うの?」
「え……」
さっきの女の子が、逢坂くんにぴったりくっつきながら、そう聞いてきた。
「……里沙、っていうんだ」
「里沙ちゃんっていうのね!」
「美咲ちゃん、里沙ちゃんはね、すごく絵が上手なんだよ」
「そうなの?!」
パアッと顔を輝かせながら、彼女は私を見つめてきた。
キ、キラキラしてる、目が……