君の瞳に映る世界
「みんなー!見て見て-!!」
「あっ、ちょ……!」
止める暇もなく、彼女はらくがき帳を持って、友達の所へ行ってしまった。
すると、全員がパズルを組み立てる手を止めて、美咲ちゃんの手元を覗き込んだ。
「わぁ!すごい!」
「かわいいー!」
わちゃわちゃと女の子が輪になって、らくがき帳を見ている。
次々と上がる歓声に、少し照れくさくなった。
やがて、気まずさから私は逢坂くんに声をかけた。
「い、いいのかな……
あんな簡単な絵で、あんなに喜んでもらっちゃって……」
「君にとっては簡単でも、あの子達には特別で、すごく新鮮な絵なんだよ、きっと」
「そう、なのかなぁ……」