君の瞳に映る世界
1番近くで、この人達がやってた事を見てるから、どうしても考えちゃう。
……もし、里沙ちゃんを庇ったり、先輩の言葉を断ったりしたら……?
……矛先が、私に向いたら……?
私は、里沙ちゃんみたいに強くない。
1人じゃ、生きていけない……
ギュッと唇を噛み締め、私は恐る恐る文字を打った。
『分かりました。
場所は、明日部活の時に、教えます』
そう送信した後、すぐにチャットを閉じた。
先輩達からの返信は見ずに、私はスマホを両手で包み込んだ。
その手は、震えていた。
「ごめん……ごめんね、里沙ちゃん……」
自分の部屋で、ちいさくうずくまった。
やってしまった。
私は、自分を守るために、また……
友達を、傷つけてしまった。
「……どう、しよう……」