君の瞳に映る世界
お昼ごはんを食べるために、皆が1度解散する。
それぞれが病室に帰って行くから、応接ルームは静かになる。
「逢坂くん、私、午後は部屋にいるね」
「うん、分かった。
もしかして、体調悪かった?」
「ううん、そういうわけじゃないんだけど……」
トンットンッと松葉杖のつく音が響く中、私はポツッと呟いた。
「今日、友達が来るみたいだから……」
さっき、美咲ちゃん達と遊んでいる時に、メールが届いた。
差出人は、幸ちゃん。
入院してから、1度も連絡をしてなかったのに、今日になって突然、連絡がきた。
『お見舞いに行ってもいいかな』
短い文章だったけど、簡素で幸ちゃんらしかった。