君の瞳に映る世界
午後、私は本を読みながら、彼女を待った。
幸ちゃんと会うのは、久しぶりな気がする……
何を話せばいいのかな。
怪我の事?最近の学校について?
それとも……あの時のこと……?
『里沙ちゃんっ!!』
最後に見た、幸ちゃんの顔は、真っ青だった。
あんな顔、初めて見たな……
そんな事を思っていると……
―――トンットンッ―――
扉がノックされた。
「どうぞ」
すると、すぐに扉が開かれて、制服を着た女の子が立っていた。
「幸ちゃん……」
彼女は、入口に立ったまま、なかなか中に入ろうとしない。
「どうしたの、入りなよ」
「う、うん……」
ゆっくりと部屋に入ってきた彼女は、私の前で口を開いた。
「あの、ね、里沙ちゃん……今日来たの、私だけじゃ、ないんだ……」
「え?」
幸ちゃんがそう言うと、誰かがヒョコッと顔を出した。
そこにいたのは……
「っ!?」
「里沙ちゃん……」
美術部の、先輩達だった。