君の瞳に映る世界
ポカンと話を聞いている私を置き去りにして、先輩は笑顔のまま続ける。
「この絵、あのままだと白黒でつまんないから、私が色を付けたの。
で、コンクールに出してみたら、すっごい評価が貰えちゃって!」
キャッと嬉しそうに顔に手を当てる先輩。
他の先輩も、ニヤニヤしてる……
幸ちゃんは……俯いてる……
私は、まだ頭が追いついていなかった。
ぐるぐる回る、沢山の疑問。
どういうこと?
今、何が起こってるの?
ツーっと嫌な汗が流れる中、私は口を開いた。
「賞を取ったのは……私、ってことですか?」
私が描いた絵だもん。
私が評価されたって事だよね……?