君の瞳に映る世界
すると、先輩はニヤッと笑って、私の方へ身を乗り出した。
「違うわ」
「え……?」
「私が、賞を取ったの」
その言葉を聞いた途端、私はやっと理解した。
先輩は、私の絵を使ってコンクールに出場したんだ。
つまり……
盗作だ。
病室の空気が一気に冷たくなった気がした。
先輩が、私の絵を盗作した。
こんなこと、許されていいはずがない。
「ちょっと待ってください!
その絵は私のですよ?!」
「はあ?何言ってんの?」
すると、先輩は絵を突きつけ、冷ややかに言い放った。
「ここに、ちゃんとサインだって入ってるじゃない。
あんたが描いたのは、ただの下書き。
この絵の名義は、私になってるわ!」