君の瞳に映る世界
最低……
こんなこと、あっていいはずがない!!
叫び狂いそうになるのを、唇を噛み締めてグッと耐えた。
怒りを瞳に込めて、私は先輩達を睨みつけた。
「何よその目。
完成してない絵を、私が完成させてあげたのよ?
絵は、色があって初めて成り立つのよ?
まあ、あんたには分かんないだろうし、無理だと思うけど」
フフンッと得意げに笑う先輩。
「……かげんにしてください」
「は?」
「いい加減にしてくださいっ!!」
たまらず、私は叫んだ。
拳を握り締め、どうにかして怒りを静めようとした。
だけど、1度開いてしまった口からは、とめどなく言葉が溢れた。
「何がそんなに気に食わないんですか!
私は、ただ絵を描きたいだけです!
先輩達には、何も迷惑はかけてないじゃないですか!!
なのに……どうして、こんなことするんですか!!」
ハア、ハア、と肩で息をしていると、1人の先輩が冷ややかな顔で私を見下ろした。
そして、そのまま私の胸倉を掴んだ。
「あんたの存在そのものが気に食わないのよ」
「え……」
「色が見えないくせに、絵を描きたいとか何言ってんの?
ハンデがある状態でも、皆と対等になれると思ってんの?
そんなわけないでしょ」
グッと首元が絞められると、先輩は冷たく言い放った。
「あんたは、一生私達と同じにはなれないのよ!」