君の瞳に映る世界
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「なるほどね」
予想以上に深刻だった、彼女の話を聞いて僕は思わず腕を組んでしまった。
「どんな事情があろうと、やっぱり盗作は良くないですよ。
誰かが必死に作り上げたものを、奪うってことですから」
「そうですよね……やっちゃ、だめですよね……」
ははっ……っと乾いた笑いを浮かべる幸ちゃん。
キュッと手元のジュースを握り締めていた。
「ちょっと考えたら分かることなのに、私は……」
そう言う彼女の声は、少し震えていた。
「絶対に、友達を傷つけるって分かってたのに。
私は、先輩達が怖くて、何もできなかった……」
「幸ちゃん……」
「2度と顔を見たくないって、大嫌いって、言われちゃった……
でも、それだけのことをしたんだから、仕方ないよね……」
話しているうちに、彼女の頬をツーっと涙が伝った。
グスグスと鼻をすする彼女の背中を、僕は優しくさすった。
「幸ちゃんは、その友達のこと、とっても大切に思ってるんだね」
「うん、大切。
だって、里沙ちゃんは……私の、命の恩人だから」
「え……」