君の瞳に映る世界
「幸ちゃん、君は今こうして誰かに傍にいてもらえてるけど、里沙ちゃんはどうかな」
「え……?」
「彼女は今、1人で入院しているんだ。
苦しいとき、悲しいとき、誰が傍にいてくれるのかな」
「あ……」
そこで、幸ちゃんはハッとした顔になった。
気付いてくれた、かな。
今、里沙ちゃんの隣には、君がいてあげるべきだ。
友達として、逃げずにちゃんと向き合わなきゃ。
「さあ、仲直りに行こう、幸ちゃん。
今なら、まだ間に合うよ、僕も一緒に行くからさ」
「うん。
……でも、一緒にって、逢坂くん里沙ちゃんのこと知ってるの?」
「うん、僕も里沙ちゃんの友達なんだ」