君の瞳に映る世界
「何、すんのよ」
「見れば分かるでしょ。
君の行動を止めてるんだよ」
「止めないでよ。
私は、もう死にたいの」
もう、うんざりなのよ。
お願いだから、手を離してよ……
だけど、そんな私の思いとは裏腹に、逢坂くんはしっかりと私の手首を掴んでいた。
「ここは、命が集まる場所だ。
もっと生きたいと言って、零れ落ちていった命を僕は沢山見てきた。
だから、君がその命を無碍にしようとしているなら……
僕は、君を絶対に許さない」
彼の声は、本気だった。
しかも、何よその目。
軽蔑するような目。
あんたも、結局そんな目を向けるのね。
「なんで、あんたにそんな事言われなきゃいけないのよ。
なんにも知らないくせに……」
「死のうとしてる人を止めるのは、いけないことなのか?
少なくとも、僕は君が現実から逃げようとしてるってのを知ってるよ」