君の瞳に映る世界
「現実から……逃げる……?」
私が、逃げる?
違う……
「違う……違う、違う!!」
私は、キッと彼を睨みつけた。
「何が違うのさ」
「私は逃げてなんかない!
ずっと戦ってきた!
1人で、ずっと……」
そうだ、1人で私は戦ってきた。
誰も傍にいない、独りぼっちの気持ちを、こいつが分かるわけがない。
「目の前で、自分の大切な道具を壊されたことある?
大切なものを奪われたことある?
大切な人に……目の前で裏切られたことある?」
目を反らされる辛さ、あんたに分かる?
分かんないよね、だってあんたには……沢山、友達がいるもの。