君の瞳に映る世界
「もう、1人でいるのはたくさんなの!
世界で1人ぼっちになるくらいなら、もう死にたい……!」
「……だから、自殺するって?」
そう言った彼の言葉に、私は何も言えなかった。
すると、彼は目の前でため息をついた。
「やっぱり、君は逃げているんじゃないか」
「なっ!私は……!」
「死は終わりじゃない、解決でもない。
少なくとも、君の死は、そうじゃない」
落ち着いた、ゆっくりとした口調で、彼は話を続ける。
「死は、消滅できっかけだ」
「え……?」
「消滅は、言わなくても分かるだろう、生命体の消滅だ。
そして、きっかけは、君がいなくなることで、誰かしらに与える影響のきっかけのことだよ」
「……何それ、よく分かんないよ。
特に、きっかけ、とか……」
ふいっと顔を逸らすと、逢坂くんにグイッと手を引かれた。
気付けば、私は逢坂くんと向かい合っていて、彼の顔が目の前にあった。