君の瞳に映る世界
ああ、ずっと誰かに言って欲しかった言葉だ。
それを……少し前に会ったばかりのこの人が、いとも簡単に、くれた。
1人だった世界に、手を差し伸べてくれた。
程なくして、私の目からは涙が溢れた。
いつの間にか、はさみは私の手から床に落ちていた。
「うっ……ううっ……」
涙が、止まらない。
泣きじゃくる私を、逢坂くんはギュッと抱きしめてくれた。
「怖がらなくていい、怯えなくていい。
世界は君が思っているより、ずっと明るくて、温かいよ」
「っでも、だけど……」
「大丈夫、君は絶対に独りぼっちじゃない。
僕以上に、君の事を見ていてくれる人がいるから」
「え……?」
すると、逢坂くんはスッと体を離した。
それと同時に、ガラッと扉が開いて……