君の瞳に映る世界
――コンコンッ。
時計の針は、4時50分を差していた。
毎日、同じ時間に、病室のドアがノックされる。
最終面会時間、ギリギリのこの時間。
「……三津島さん、入ってもいいかしら」
「どうぞ」
短く返事をすると、すぐに扉が開いた。
そして、入ってきたのは部活の顧問。
毎日毎日、飽きないな。
「……具合、どう?」
「まだ、入院して一週間なんで……あんまり……」
「そう……」
先生は、流すように私の頭と右足を見た。
見ても、何も変わってないでしょう?
手術はしたけど、2ヶ月は入院だって言ったじゃないですか。
先生は近くの椅子に腰掛け、なだめるような声で話を始めた。
「ねえ、三津島さん。
あの時、本当は何があったの?」