君の瞳に映る世界
それぞれの想い
~颯Side~
ああ、どうして……
こんな事、一生無いと思ってたのに……
病室のベットの上、僕は小さくうずくまっていた。
そうでもしないと、この気持ちが溢れてしまいそうだった。
「ああ、もう……」
あの子が優しいってことは、初めて会った時から、なんとなく感じていた。
予想通り、小さな子ども達にも、とても優しく接してくれた。
小さな彼女達の話をキチンと聞いて、相手をしてくれている。
だけど、彼女の優しさはそれだけではなかった。
彼女は……人の過ちを許せる人だった。
彼女の友達がしたことは、決して小さなことではない。
だけど、あの子は……
笑顔で、それを許した。
人を許すのは、簡単なことじゃない。
そこで、彼女のとても深い優しさに気付いた。