君の瞳に映る世界
だって、僕は……
ふと、顔を上げて、棚に置いてある写真を見つめた。
「僕は……僕でなくなってしまうから……」
写真には、僕を含めて3人の人が写っていた。
だけど……僕は、自分以外の人の名前が思い出せない。
これが、僕の病気なんだ……
もし、君がこの事を知ったら……君は、僕から離れてしまうかもしれない。
それが、たまらなく怖い。
「ごめんね、里沙ちゃん」
自分の事も、この気持ちの事も、臆病な僕は、まだ君に話す事ができないんだ……