君の瞳に映る世界


~里沙Saide~

「里沙ちゃんて、颯くんと仲がいいよね」




「え?!」




午後、学校終わりに病室へ寄ってくれた、幸ちゃんと折り紙をしている時のことだった。




予想外、そしてタイムリーな質問に、すっとんきょうな声が出てしまった。




そんな私を見て、幸ちゃんはパチクリと大きく瞬きをしている。




「え、なんで?

 そんなに驚くこと?」




「い、いや……そうじゃないんだけど…点」




「仲良くないの?」




「それも、違うんだけど……」




モゴモゴと口篭ってしまうと、幸ちゃんがクスッと笑った。




「颯くんを見る里沙ちゃんの顔はさ、とっても優しいから、すぐ分かったよ。

 里沙ちゃんにとって、颯くんは特別な存在なんだなって」




「え?」




「好き、なんでしょ?

 颯くんのこと」




「?!」




今度は、私が大きく瞬きをする番だった。




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