君の瞳に映る世界
「どういうこと?」
「だって……私は、普通じゃないもの」
もちろん、自分は普通の女の子だと思ってる。
でも、色彩障害なんて、やっぱり普通じゃない。
そんな子から好意を寄せられたって、迷惑なだけだよ。
「……まさか、颯くんに言ってないの?」
「うん……」
「そっか……
でも、颯くんなら、受け入れてくれそうだけどな」
「どうかな……」
それに、私はいずれここを離れてしまう。
そうなれば、私は記憶の一部にしかならないだろう。
名前と年と、将来の夢しか知らない彼。
離れてしまえば、きっと私のことなんて忘れてしまう。
だから、彼にはもっとずっと傍に居てくれる人が、隣に居たほうがいいんだ。