君の瞳に映る世界
だから、私は……
「でもね、里沙ちゃん」
すると、幸ちゃんは真っ直ぐと私を見つめた。
「自分の気持ちに、嘘をついちゃだめよ」
「え……」
「里沙ちゃん、自分の気持ちから逃げちゃだめだよ。
いつか絶対、後悔するよ」
幸ちゃんの言葉が、私の心に、スルスルと入り込んでくる。
その瞬間、私の頭に思い浮かんだのは……
『里沙ちゃん』
優しい声で、私の名前を呼ぶ、彼の笑顔だった。
ああもう、駄目だってば。
こうなったら、認めるしかないじゃない。
嫌だったのに。
だって、認めてしまったら……
もう、この気持ちは止められない。