君の瞳に映る世界
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「あー!里沙ちゃん松葉杖がなくなってる!!」
リハビリから戻って、応接室に行くと、私の姿を見て、皆が声をかけてくれた。
「もう、怪我治ったの?」
「あともう少しでね」
「あとちょっとで退院するの?」
「そうだね」
「えー、寂しい!」
「うん……」
その時、ふと逢坂くんの顔が思い浮かんだ。
「私も、寂しい」
すると、応接室に彼の声が響いた。
「みんな、やっほー」
「あ、颯くん!」
「あれ、その子誰?」
逢坂くんは、1人の女の子の手を引いていた。
小学校1年生くらいの小さな女の子。
「新しく入院してきた子だよ。
亜樹ちゃんっていうんだ」
亜樹ちゃん、という子は少しだけ怯えているような顔をしていた。
でも、すぐにその子の元には、他の子が駆け寄って行った。