君の瞳に映る世界
許可を貰って、私達は病院の庭に出た。
だけど、ただ歩くだけで会話は全くない。
どうしよう……思わず話がしたいって言っちゃったけど……
気持ちを伝える覚悟なんて出来てないし……
でも、このまま離れるのはやっぱり嫌だもん。
せめて、逢坂くんに隠し事はしないで別れたい。
だから、話さなきゃ。
私の、病気のこと……
「ね、里沙ちゃん」
「へ?!な、何?!」
考え事をしていた時に、突然声を掛けられたから、びっくりしてしまった。
その様子を見て、逢坂くんはクスッと笑った。
「ちょっと、奥に行ってもいいかな」