君の瞳に映る世界
恐る恐る目を開けると、逢坂くんは私を海の方へ向かせた。
「え……」
それから、手を私の肩に置いて、ゆっくりと話始めた。
「海はね、青いんだ」
でも、場所によっては、透明にに見えたり、時間帯によっては、赤く見えたりするんだよ。
そう話す彼の声は、とても優しいものだった。
心地よく響く彼の声に、私は思わず聞き入ってしまった。
「海は、天候によって色んな色に変わるんだ。
だから、僕は海は、空のキャンパスだと思ってる」
「空の、キャンパス……」
私には、白黒にしか見えないのに、逢坂くんには、そんな風に見えるんだ。
私は、上を見上げた。
どこまでも続く、広い広い空。
どんな色をしているんだろう。
きっと、綺麗な色をしているんだろうな……
「いいな、私も見てみたい……」
「見れるよ」
「え……」
思わず、振り返ると、逢坂くんはじっと私を見つめていた。