子うさぎと狼さんの恋物語。
「はぁ、はぁ、はぁ...やっとついたー!」
しかし、街にはあの大きなお城をはじめ、綺麗な洋風の建物が建ち並び、まるでヨーロッパのようだった。
人々も、金髪や色素の薄い綺麗な瞳を持っていた。
どうみても日本ではないこの光景に、心愛は固まってしまい、先ほどの疲れもどっと押し寄せた。
「やっぱりここは日本じゃないの?それならここは一体どこなの?」
ついさっきまで少しわくわくしていた心愛の心は、目覚めた時より不安になって、少し泣きたくなった。
気づけば賑わいも落ち着き、多くの人がそれぞれの仕事へ取り掛かっていた。