子うさぎと狼さんの恋物語。

運命の始まり~ヴォルクside~

タッタッタッ


静かな森にリズムよく足音が響いた。


ヴォルクは足を止めることなく、目的の場所へと走り続けた。
城から少し離れたその場所は、小さい頃からのお気に入りの場所で、ヴォルクは暇ができるとそこまで走り、気分転換をしていたのだ。


「あれ?」


もう少しで着くというところで、ふと嗅いだことのない匂いを微かに感じたヴォルクは足をとめた。


その匂いを辿っていくと、ヴォルクの目的の場所に着いた。


木の影から警戒しながら辺りを見回すと、目の前の大きな木の根元に少女を見つけた。
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