子うさぎと狼さんの恋物語。
びくっ


急に感じた感触にヴォルクはぱっと意識を戻した。


気づかないうちに、少女の手がヴォルクの頭に触れていたのだ。
さっきまでの涙目とは打って変わって、少女の顔には笑顔が浮かんでいた。


その笑顔を見た瞬間、ヴォルクは胸が高鳴るのを感じた。


今まで感じたことはなかったが、あぁ、これが一目惚れなのか…と素直に納得した。


もっと笑顔が見たい、と思っていると、どうやら雨が降ってきたようだ。


少女は焦ったように周りを見渡していたが、辺りが暗くなり始めているのを見て泣きそうな顔をした。
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