子うさぎと狼さんの恋物語。
これからどうしようか悩んでいると、1人のおばあさんが声をかけてきた。


「こんにちは、お嬢さん。こんなところでなにをしているんだい?
珍しい格好をしているし、この真っ黒な髪と瞳はここの者ではないだろう?」


ヨーロッパのようなここで、明らかに日本人じゃない容姿をしているおばあさんが、何の戸惑いもなく日本語を話すことに驚いた。


しかし、不安でしょうがなかった心愛には、その驚きよりおばあさんの温かな優しい声が心に染み、涙がでてきてしまった。


「あらあら、泣いたら可愛い顔がもったいないよ。なにか事情があるのなら、1度うちに来ればいい。
私が話を聞いてあげるから。ほら、おいで。」


心愛は、止まらない涙を必死に拭いながら、おばあさんをみて小さく頷いた。


そして、満足げに微笑んだおばあさんの後についていった。




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